素敵な痰壺ピクニック
公衆の面前で痰壺になるって素敵じゃないかしら
素敵な痰壺ピクニックって…いやなネーミングね。痰壺って…。「カーッ、ペッ!」って、あれでしょ。カーッ、カーッ、オホン、カーッ。
ごめんなさいね。私、ダンサーのくせにけっこうヘビー・スモーカーだからよく痰が出るんですよ。でも、不思議なもので、私のこんな痰が大好きという変態ちゃんが何人もいるんですよ。私が彼らの目を見つめて「カーッ」と喉を鳴らすだけで、チ〇ポがピンピン。
でも、私は別にスカトロ・マニアではありませんから、汚いことが好きというわけじゃありません。ま、痰程度なら欲しければあげるわ、という感じね。私は相手が欲しがるものならなんでもあげるミストレスなのです。ただし、私におねだりする男性は少しだけ気をつけた方がいいみたいよ。
あげるけれど、あげるのなら徹底的にあげたいの。もう結構です、なんて言うのは私の場合はないの。自分が欲しいものを欲しいだけもらって、もうお腹がいっぱいだからいいです…なんてミストレスに対してすごく失礼なことじゃありません?
前に、私の黄金をおねだりした子がいたの。もちろん、私は断りませんよ。一度ホテルでプレイして、彼はすごく満足したみたいだけど、帰りの一緒の電車で、なんだかもう一度したくなったから、途中の駅で降りてトイレに連れて行ったの。そしたら、「もう十分ですから」ですって。
もう十分?ありえない言葉です。どこの世界に、排便お断りの便器がありますか? 実は、私、ダンスの他にボクシングもやっていて、シロウトの男を倒すぐらいなら簡単。腹に一発パンチを入れてやったわ。彼、恐怖でブルブルふるえながら私の命令に従って、便所の床に仰向けに寝たの。そこに跨って、いっぱい出してやりました。もちろん、少しでも残すことは許しません。彼、泣きながらトイレから出てきた。
で、次の日の朝、私、彼の家の前で見張ってたの。さあご出勤という時に目の前に私が現れたからビックリでしょ。そのまま家に連れ戻して、朝一番の素敵なものを彼の口にモリモリと出してあげた。感謝しないとねえ…。なのに、彼は土下座して叫ぶんです。
「もうこれで勘弁してください。二度とかおり様のそばをチョロチョロしません。二度とマゾだ、変態だなど女性に対して申しません。今後はカタギとして生きていきますからどうかお許しください!」
私に何かをおねだりするというのは、こういうことなんです。
帰りたくなる地獄のデート
そしたら、ほら、今度は私の痰壺になりたいという男の子がやってきたわけです。もちろん、その場でカーッ、ペッと飲ませてあげたけれど、彼の満足そうな顔を見ているとね、もっと、もっとと思うのがミストレスとして当然の思考の流れじゃない。ちょうどスタジオもお休みだったし、彼を誘ってお外でデートしようということになりました。彼、大喜び。でも、外に出て5分くらいで青ざめ始めたわ。
最初は、山手線のホームから。電車を待っている間、彼、楽しそうに世間話というかバカ話をしていたけれど、何をかん違いしているのかしら。私がそんなくだらない会話の相手をして喜んでいるとでも思っていたのかしら。私は、ひときわ大きな音で喉を鳴らしてやりました。
「カーッ、カーッ、カーッ」
「や、やめてくださいよ、こんなところで」
彼のあわてぶりったら、それは見ものでしたね。もちろん、私はますます大きな音を出しますよ。もう周囲の人はみんな驚いてこちらを見ています。それはそうでしょう。美人かどうかはわからないけれど、ちゃんとした普通の女性がオヤジみたいに痰を吐こうとしているんですから。しかも、その痰は…。
「飲みなさい!」
彼は、必死の形相でこの窮地からなんとか逃れようとバカな頭をフル回転させて、逃げ場を探しています。だけど、しょせんIQが私と彼では違いますから。彼はこの運命から逃れられなくいことを察して、口を開いて私の痰を受けましたね。周囲の驚愕ぶりがひしひしと伝わってきます。
と、そこに電車が入ってきました。バカな彼でも、これからのデートがどういうものになるのかわかったはずです。そして、それは彼の予想通りに展開していったのです。というか、私がそうしました。
車内はすいていたので、二人仲良く座席に腰掛けます。はた目には年上の女と若い男の普通のカップルですが、それが突然、女の方がエホンと喉を鳴らして、男に口を開けさせてカーッと痰を吐き出し、飲ませるわけですよ。私はしつこいですから、何度も何度も繰り返します。チ〇ポをさわってやりました。そしたら、スタジオの中ではあんなギンギンだったものが、可哀想にすっかり萎縮して芋虫のようになっています。彼が消え入りそうな声で耳元で言います。
「かおりさん、ぼく、具合が悪くなってきました。帰っていいですか…」
私には彼の言葉などまったく聞えません。
「さあ、そろそろ着くわね。ちょうどお昼時だから、まず食事をしましょう」
彼の顔が恐怖でひきつります。レストランなどに入ったら、どんな目に合うかわかったものではありませんから。
二人で駅ビルの中のレストランに入り、私はハンバーグ・ランチを、彼は食欲がないというのでサンドイッチを頼みます。飲み物は? と聞くと、何もいらないと言います。飲み物など頼んだら、そこに痰を入れられるのは目に見えていますから、彼なりの自己防御でしょ。バカな奴隷。飲み物も食べ物も私の側にはいっぱいあります。さあ、ハンバーグの痰ソースがけをいっぱい召し上がれ。食後は痰がブカブカ浮いたホット・コーヒーがいいかしら。それとも、コーラも痰が目立っていいかしらね。
カーッ、カーッ、カーッ。レストランの中に私の痰を吐く音が何度も響きます。なんだか、彼が小さくなっていくよう。人間というのは、極限状態の中では身体そのものが変化するのでしょうか。レストランを出る頃には、身長が10センチぐらい縮んで、小人みたいになっていました。私、小さい男の子大好きなんですよ。
公園を散歩して、日が暮れてきた頃に駅に戻りました。彼、行き先が違うから別の電車に乗ると言います。もちろん、私は「じゃ、私もそれに乗るわ」と言って、ついていきましたよ。絶対に逃げさせません!