人間便器の作り方
第一章 痰壺編
初めまして、高倉ひとみと申します。今回は、人間便器になりたいM男性の方のための講義を担当させていただくことになりました。私に資格があるかどうかわかりませんが、一つ言えることは、私は個人的に人間便器が大好き。これまでに何人ものM男性を人間以下の存在、つまり人間便器になるように教育してきました。私のお尻の下で黄金にまみれる男たちの姿を見ると私は体が熱くなります。さて、みなさんはこんな私を満足させてくれる人間便器になってくれるかしら。
まずは、人間便器といっても「なりたい…」という願望と実際に「なる」という現実との間には大きな壁があることを理解しておいてください。私が一番嫌いなのは、妄想ばかりパンパンに膨れ上がって、プレイの前には大風呂敷を広げるくせに、いざ黄金を食べさせようとすると「できませ〜ん、できませ〜ん」と逃げ出したり、時には吐き出したりする男。インターネットで知り合うと、特にこういう手合いが多いですが、そんな時、私は非常な失望を感じて、何日も不機嫌な思いをします。ですから、みなさんも十分に心の準備をして、女王様の大切なものをいただくのだと心得て、決して失礼のないようにしてください。
まずは、黄金をいただくなどというだいそれた考えを持つ前に、人間痰壺になってみましょう。痰壺と言っても、一般的には唾液を飲むことを指します。これならみなさんも大好きでしょ? 唾と黄金では全然違う…と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、つまり、これは心のトレーニングなのです。女王様からいただけるものはすべてが尊いものです。その意味では唾も聖水も黄金も同じです。気持ちを込めて、女王様の唾をいただいてください。その時、今までのように軽い気持ちでいただくのではなく、相手の方を心のすべてを使って受け止め、一雫まで女王様の一部であることに神経を集中させていただきます。頭が真っ白になるぐらい集中して女王様のことを思ってください。
この時の心のトレーニングが黄金をいただく時に役に立つはずです。本来食べものではないものを喜んで受け入れるようになるには精神的な部分が大きく関係してくるのです。
第二章 聖水編
唾液の訓練はしっかりできましたか? では、次は聖水です。SMクラブに行ったことのある人なら聖水プレイを経験している人は多いと思いますが、聖水は奴隷にとってのなによりのご褒美でしょう。たいていの方がありがたく頂戴していると思いますが、私の聖水の場合は少し初心者にはきついようです。
濃いのです。こんなことを言うと、私の便器たちはそれだけで早くもペニスを大きくしておねだりを始めますが、私がSMクラブに勤めていた頃、こんなことがありました。
初心者のM男くんが、プレイの最後に私の聖水を望んだので、飲ませてやったのですが、何時間もためていたものが体内に吸収されてずいぶん濃くなっていたようで、口に含んだ瞬間、オエッと音を出してえづいたのです。
こんな失礼なことはありません。普段だと不機嫌になってしまう私ですが、この時はなぜかおもしろくて…。涙を流してゲーゲー言っているのを、鞭で叩きのめして無理矢理飲ませました。
嫌がっている者に無理強いするというのは、私たちの悲しい性です。冒頭で言った、妄想M男が大風呂敷を広げたのに何もできないというのとはまた違います。この場合は私の方が楽しんでいるのですから。その笑顔を見て、M男くんも喜びを感じ、自分の幸せとするのが一番の関係なのです。
飲めない子を飲めるようにし、さらには、聖水を見ただけで、音を聞いただけでペニスが熱くなるように習慣づけるのはとても楽しいことです。実は、先に書いた初心者Mくんは、今では私の人間便器として月に一度ほど役に立ってくれています。
生理的に受け付けないのでしょうか。彼は、何度プレイしても聖水が苦手なようで、いつまでも慣れてくれません。しかし、それなのに私のもとに通ってくるわけですから、私のことが大好きで仕方ないわけです。それで私はある時聞きました。
「私の体から出てくるものなのにどうして君は受け入れられないのかしら?」
彼の答えはこうです。
「吐き出したらどうしよう、と考え出したら、プレッシャーで余計に…」
私は言いました。それは、余計なことを考えすぎね。私のことだけ考えなさい。私が喜んでいる姿だけ考えなさい。君がどうなるか…なんて関係ないの。
先に書きました心の問題です。精神を集中する話です。その後、彼はすぐに飲めるようになりました。いや、それどころか、喜んで欲しがるようになりました。ここから先は、一気に人間便器です。
最初は吐き出すかと思いましたが、意外なことに彼はなんなく私の黄金を受け入れることができました。やはり、気持ちの持ちようがもっとも大切なのだということを改めて認識いたしました。
というわけで、ここでは私の個人的な例をあげさせていただきましたが、一般的には聖水まではそれほど問題になることはありません。特に、SMクラブでは、女王様方は体調の管理に気を使い、「飲みやすい聖水」になっているはずですから。しかし、これが黄金となると、体が激しい拒絶反応を示すことがあるのです。ここからみなさんの頑張りどころ。
第三章 お清めの作法
こちらは少し話題を変えて、補講の時間です。聖水をいただいた後はたいていの場合舌でお清めをすることになります。まあ、ありていに言えば人間ティッシュというわけですが、女王様の汚れたところをきれいにするのは奴隷にとって当然の勤めです。大きな喜びを感じてください。
とはいえ、このお清めには微妙なニュアンスが含まれていまして、なにぶん敏感なところですから、女王様によってはちよっと遊びたくなってしまう方もいるでしょう。その場合は、奴隷はそのまま舌奉仕を続けることになります。女王様は「イカせてちょうだい」などとはしたないことは言いません。ですから、奴隷は、女王様の気持ちを察して、何も言われなくても、いっしょうけんめいにご奉仕しなさい。舌が痛くなって動かなくなっても、女王様がいいと言うまで続けるのです。
第四章 嘔吐編
さて、次の講義は嘔吐編です。普通の人間便器講座では、あまり扱われることはありませんが、個人的に好きなので特別に時間をさかせてもらいました。吐瀉物…。ヌルヌルしていて温かくて、なんと官能的なものでしょう。しかし、中には黄金よりも苦手だというM男性もいるようで、私は、こういう人たちにぜひ女王様の吐瀉物をありがたく頂戴していただきたいと思っているわけです。
私の経験では、調教済みのハードなM男性でも、吐瀉物は苦手という人はかなりいます。そんな場合、まずは私の場合は咀嚼プレイから入ることにしています。咀嚼プレイとは、食べ物を女王様が口の中で咀嚼して、それをM男性に与えるというプレイです。それができるようになると、今度は、一度胃まで飲み込んだものをすぐに吐き出すというプレイに移ります。ある意味、これも吐瀉物といえば吐瀉物ですが、しかし、飲み込んだばかりの食物はまったく消化活動が加えられていませんので、嘔吐してもほとんど元の味のままです。慣れるまでは、ゼリーやサラダなどの飲み込みやすいものから始めますが、やがて米や麺などの炭水化物を加えていきます。そして、少しずつ胃の中にたまっている時間を増やしていくのです。おそらく10分も胃の中に入れておくと、食物はかなり消化されて、いわゆるドロドロした吐瀉物になります。
こうなると普通の人間ではなかなか飲み込めるものではありません。
「よろしくお願いします!」と清水の舞台から飛び降りる気持ちで覚悟を決めた子が、逆噴射して大慌てしている姿を見るのはとても楽しいものです。
実は、私は他の女王様方と違って奴隷とキスしたりすることに抵抗がありません。そんなわけで、時としてキスをしながらそのまま嘔吐してやるいたずらをすることがあります。奴隷は目を白黒させて私から口を離そうとしますが、頭をグイッと押さえつけて、そのまま全部飲み込ませます。時として、私の口の中に逆流してきますが、もともとが私のもの。これには抵抗感はありませんから、遠慮はしません。
こんないたずらを受け入れてくれる人間便器が好きです。基本的には、調教していきますが、相手が涙ながらに私のものを全部受け入れた時の達成感は得もいわれぬものです。まあ、便器も大変ですが…。
余談ですが、私のこの少し特殊な趣味はもともと吐瀉物にまみれたいというM男性に触発されたものでした。今から5年ほど前の話になりますが、当時、職業的に女王様をしていた私のもとに現れた彼は、私の吐瀉物にまみれたいと強く希望したものです。しかし、何度かプレイを重ねて、私が彼に吐瀉物を食べさせてみたくなった時、彼はけんもほろろにこの私の提案を断りました。彼にとってはまみれたいという願望はフェティシズムであり、女王様と深い部分で結びつきたいという愛情的な要素はまったくなかったのです。私は、思うのですが、体内のものを交換するというのは深い愛なのです。
第五章 黄金編
そして、いよいよ講義は最終章の黄金です。一番最初に書きましたが、私は、「なんでもできます。黄金もぜひ希望します」と言いながら、何もできないM男性は好きではありません。その大きな理由は、自分の妄想ばかり膨らませて、私とのつながりについて少しも思いを馳せない独りよがりな姿に愛情をもてないからだと思います。
私の友人の女王様で、スカトロ・プレイのカリスマと言われていた人がいましたが、彼女は毎日客のM男性たちから同じような質問ばかり受けていたそうです。
「女王様、ぜひ黄金をいただきたいのですが、どうしても口にできそうにありません。なんとか女王様の黄金を飲みこめるように調教してください」
これに対して、彼女は冷たく突き放していたそうです。
「食べれないのなら食べなければいいじゃない」
おそらく、こういう要望にうんざりしていたのだと思います。私はといえば、意外と調教は好きです。たとえすぐに食べられなくても、私のことを敬い、私のものをすべて受け入れたいという気持ちがあるのなら一から調教していってもかまわないと思っています。
そのためのレッスンが痰壺、聖水に始まる今回の講義だったわけですが、そこで私が強調したのは「心」の問題でした。
しかし、いくら心は女王様をお慕いしていても、人間の体には生理反応というものがあります。心で身体反応を押さえつけるという荒業ですから、中にはなかなか便器にまでたどり着けない者もいます。
そのような者は、まず、黄金に対する身体の抵抗感を徐々に取り除いていくことから始めます。まず、最初は、女王様のアヌスを舌できれいにするご奉仕から始めましょう。調教の順としてはまずきれいに洗ったアヌスを舐めることから始めさせます。丁寧に、丁寧に、心をこめて舐めさせます。もし、おざなりだったり、手を抜いたりしたら容赦なく罰を与えなくてはいけません。罰には便器候補者が一番嫌がることがいいでしょう。そうすることによって、便器への覚悟が出来上がってくるのです。
アヌス舐めが丁寧にできるようになったら、いよいよ人間便器への具体的な道を進むことになります。これは不思議なことですが、最初からまったく抵抗なく黄金を食べることができる者とできない者ははっきりとわかれるのです。なかなか食べることができない者の場合、最初に壁となるのがニオイです。女王様の体から出されるものだから芳しいものである…というのは脳の中で様々な手続きを経て到達できる境地であって、黄金が実際には大便であって、それ特有のニオイを持っていることは否定できない事実なわけです。
ただし、嗅覚は「慣れる」という大きな特徴を持っています。便器志願者に次に与えるレッスンは排便後のアヌスをきれいにさせるというものです。トイレに行った後、志願者を呼び出し、舌でアヌスを掃除させます。今までのシャワーを浴びたきれいなアヌスと違い、今回は何かがついています。私は毅然とした態度で命令します。
「その舌できれいにお掃除しなさい」
女王様のアヌスを舐める喜びを覚えた志願者は、この言葉にすぐに反応するはずです。ほとんど条件反射的に舌を伸ばしますが、すぐに鼻腔を刺激する異臭にたじろぎます。しかし、ここからが女王様の腕の見せどころでしょう。私の場合は、無理矢理にでもお尻を相手の顔に押し付け、強制掃除をさせます。お尻をあげると志願者の鼻や口のまわりがうっすら茶色くなって、涙目でこちらを見ています。私のお尻もみずからの黄金で汚れてしまいますが、気にはしません。
そのうちに、志願者はこの行為に慣れて、女王様がトイレに行くたびにお掃除をするためにみずからトイレの前で待機するようになりますが、しかし、それでもまだ完全な人間便器になるには越えなければいけない壁があるのです。
それは喉を通すという行為です。便器はただ塗ったり、舐めたりするだけでは便器とは呼びません。もちろん、慣らすためには、前段階的に顔に塗糞化粧をほどこしたり、少しだけ口に含ませて、溶けた黄金を飲ませるというようなことはしますが、やはり、女王様と人間便器が完全にその関係を作り上げるには自然な形での黄金の完食が理想でしょう。
完食。素敵な言葉ではありませんか? 便器志願者であれば誰でも夢見る魔法の言葉だと思いますが、慣れた便器ででもなければこれはなかなかできるものではありません。
もちろん、初心者にとってはつらいことだと思いますが、私はこの最後の儀式を行う際、志願者を徹底的に鞭で追い込むようにしています。とにかく、相手が逃げたてもどこまでも追いかけていって鞭打ちます。拘束していれば、それこそ容赦なく鞭をふるいます。
最初は痛がって泣き叫ぶ志願者ですが、許しを乞うても許されないということを知るにつれ次第に彼はおなしくなっていきます。
ひどい仕打ちのように思われるかもしれませんが、この行為は彼にとってある種の麻酔効果を生むことになります。つまり、このぐらいになると、彼の脳の中は真っ白になっていて、一切の思考を停止し、すべての運命を受け入れる準備を始めるのです。
私は時が来たことを悟ると、彼の顔の上にまたがり、ずっと我慢していた黄金を思いっきり輩出します。次から次に出される黄金を志願者はただ飲み込み続けます。
人間便器が完成した至高の一瞬。
私は彼を抱えおこして、おでこにキッスしてあげます。もう彼は人間に戻れないのです。
というわけで、ついに人間便器の完成を見たわけですが、人間便器よりもさらに徹底した存在があります。それは完全なる人間便器。つまり人間便器から「人間」を取った存在です。基本的には私はやさしい女王様です。しかし、私の中にもやはり鬼畜は存在します。時として、自分の人間便器たちの中から本物の便器人間を作ってみたいという妄想にかられることがあります。便器人間は人間便器と違って、もはや便器以外にはまったく存在理由がありません。愛情どころか、食物さえ与えません。あえて黄金とは言いますまい。便を食わせて生きながらえさせる異形の生き物です。その口は便を飲み込むためだけに存在し、その胃袋は便を消化するためだけにあるのです。私はひそかに先述の新参便器を改造しようと思っています。みなさん、私は恐ろしい女ですか…。