収縮と痙攣が始まっても射精ができない寸止め
一般的にはプロの女性ってあまり読者受けしないのかしら。でも、これから話すのはプロの風俗嬢としての経験があったから身につけることができたちょっと特殊なプレイの話なので、興味がある方はおつきあいくださいね。
寸止め、というプレイがありますよね。実は、私、寸止めの達人なんです。自分で言ったらいやな感じですが、でも、私のような寸止めができる人はそんなにはいないと思います。というのも、私が風俗嬢だったことは先に申し上げましたが、私が勤めていたのは性感マッサージのお店で、それもアナル責め専門店。毎日、毎日、お客様のアナルに指を入れて、その刺激でお客様たちをイカせていたわけですが、ある時、射精と前立腺の変化に関係性のあることに気がついたのです。
射精が近づくと前立腺がぷ?っと膨らんできます。どうやら、誰の場合でも、これは射精直前の前立腺の反応のようです。
そこで、ある時、ぷ?っと膨らんだ瞬間に手コキの動きを止めてみたのです。そうしたら、お客様は、まさに登ったハシゴをいきなり奪われたように、一瞬とまどった後、大きな声で…。
「ああっ、ああっ、出る!出ない!出るのに、出ない!」と叫び出したのです。
ちょっとしたパニックですね。私の予想はずばり当たりました。
前立腺の動きに合わせれば、究極の寸止めができる!
それまでも、寸止めプレイというのは何度も経験がありました。職種上、M的な男性が多いですから、じらしや寸止めというのはリクエストが多いのです。私も寸止めプレイは好きですから、金玉があがってくる反応や亀頭がブワッと膨らんでくる反応などを見ながら射精のタイミングを計って寸止めをしたり、あるいは、勝手にイッたらダメよと命令して、イクイクッという声にあわせて寸止めをしたりしていました。何度も寸止めをすると、男の人は気が狂ったように叫び始め、発射させてほしいと哀願を始めます。その様子がおもしろくて、夢中になっている間に寸止めは私の得意プレイのひとつになっていたのですが、でも、冷静に考えれば、「イカせてください!」と叫んでいるのに、イクイクという申告が来る。つまり、まだまだ余裕があるということです。金玉や亀頭で判断する時には、少し早めに手を離さないと暴発してしまいます。
そんなわけで、いつしか「本当の寸止めはできないものか」と考え始めていた時に前立腺の利用法に思い当たったのでした。
これはすごいです。大の大人が泣き声をあげて許しを乞うのです。号泣するお客様を見て、私はどんどん技術に磨きをかけていきました。
どうやら、前立腺の膨らみ始めから射精までは手コキで言うと、最後の4、5コキぐらいしかタイムラグがないらしく、まさに精子が外に出る準備を終え、脳からの号令一下、ピュッと飛び出るその瞬間の寸止めになっているらしいのです。
ペニスはすでに痙攣と収縮を始めているのに、出すな! という緊急命令が発令された状態。寸止めされた方が驚き、あわて、パニックを起こして叫び始めるのは当然です。
ここまでの寸止めは、誰も経験がないらしく、2、3回の寸止めで普通はギブアップします。しかし、それを超えると、今度は脳内に何か異常が起こるらしく、気が狂ったようになって冷静にプレイを中断しようとする判断もできなくなるようです。
「寸止めが得意なんですか? 90分ずっと寸止めしてください」
ある時、こんなお客様が来ました。最初の寸止めで彼は目を見開いて、声にならない声でヒーヒーと言いました。二度目の寸止めで、過呼吸をおこしかけました。三度目の寸止めでは、苦しさのあまりベッドの上でのたうちまわりました。そして、彼はそのまま脳内異変を起こし、5度、6度と寸止めを繰り返されて、気が狂ったように叫び続けていたのですが、7度目だったか8度目だったか、何かの偶然でふとわれに返ったのです。
「あ、あと、な、何分ですか?」「まだ20分しかたっていないわよ」
それを聞いて、彼が突然わめき始めたのです。
「いやだあ! もういやだあ! 帰らせてください! もう二度と寸止めしてください、なんて言いません!」
私にとって、これは最高の一瞬でした。