走れ!ヘロスと人間失格
チ○コを突き出して走ってくる姿が爆笑よ
脚力のあるマゾ男性を募集
本当にバカっているみたいですよ。まあ、真剣についてこようとしている人間をバカというのもかわいそうですが、それにしても…。
今回、原稿に書こうと思っているのは、つい先日、SM系の掲示板に自分のサークル・イベントの告知をした時に応募してきた男の話です。サークルの告知そのものはよくあるタイプのもので、まあ、女王様と奴隷のパーティーをするから参加希望者は連絡をしてちょうだい、なんて他愛のないものだったんだけど、それだけじゃつまらないから、「こんなタイプを募集」というのを少し書き加えたんです。
で、そこに「脚力に自信のあるM男募集。チンチンにロープをつけて車で引っ張るから一生懸命走ってきないさい」というのを書いたんですよ。他の女王様たちとゲラゲラ笑いながら。
そしたら、一人だけだけど応募してきたやつがいて、さて、これはどうしたものかとみんなで相談することになったわけ。男のメールをここでご紹介しますわね。
「初めまして、脚力のあるM男に応募させていただきます。自分は大学時代陸上部に所属していて、インターハイでは入賞もしています。短距離が専門なのでマラソンのような長い距離は走れませんが、もし、2百メートルとか4百メートルということなら頑張れると思いますので、ぜひ自分を陸上調教してください」
陸上調教?かってに調教の名前まで考えて妄想を膨らませているM男におおいに盛り上がった私たちですが、でも、ちょっと興味が湧くじゃないですか。それで、イベントとは別に彼を呼び出して、その陸上調教とやらをやってみようということになったんですよ。こちらの参加者は4人。車の運転ができる人たちです。これに見学したいというのが4人で合計8人。いやはや、鬼畜女が8人もそろっているところに、彼もよくのこのことやってこれたものです。
場所は人目につくのもまずいので、少し遠出して、人のあまり来ない秩父の林道を使うことにしました。都内で男をひろって、後部座席に座らせ、さてドライブです。
まさか車が4台も来ているなどと想像もしていなかった彼は、私たちを見てもうびびっています。高速を追い越し、追い越されして楽しそうに走る私たちを不安そうに見ながら、後部席で両側をがっちり固めている美佐子さんとマリアさんに蚊の鳴くような声で聞いています。
「あの、もしかして4台にくくりつけられて走るんですか。それはちょっと命の危険があると思うんですけど」
私はハンドルを握りながら振り返って言ってやります。
「大丈夫よ。一台ずつで走るから。その代わり、タイムが一番遅かった女王様からはしっかりと罰を受けるからね」
「一番遅いって…。必ず、誰かが一番遅いことになるじゃないですか」
「アハハ、それが奴隷の運命ってやつじゃないの。あんた、そんなこともわからないの」
もう走れません、痙攣します!
もうみんなノリノリです。奴隷はうつむいて、ここに来たことを後悔しているみたいでした。
車が目的地に着きました。もちろん、男を全裸にするつもりはありませんから、チャックからチンチンを出させて、金玉の裏側から細いロープをしっかりと巻きつけます。
「陸上選手ってどれぐらいで走るの?」
「百メートルのメダリストで時速37、38キロだと思います」
「じゃ、マラソンは」
「20キロぐらいでしょうか」
「じゃ、30キロぐらいは出してもついこれるね」
「え~、でも、それは百メートル限定の話ですから。いったいぼくは何メートル走ればいいんですか」
私たちは大喜びで宣告します。
「バカじゃないの。これは陸上競技じゃなくて、SMプレイよ。女王様がいいと言うまで走り続けるに決まっているじゃない」
まず、ベンツに乗ってきた人妻の雅美さんが名乗りをあげました。哀れな奴隷のチンチンにくくりつけられたロープの別の側がベンツの後部に装着されます。
「はい、スタート!」
たちまちロープがピ~ンッと張って、奴隷は腰を突き出すような奇妙なかっこうで走り出しました。7人の女たちがやんや、やんやとはやし立てます。しかし、さすがに最初なので雅美さんの運転は慎重で、1分ほどでエンジンを止めて車から降りてきました。奴隷はゼイゼイ、ゼイゼイと息をきらしています。
「雅美さん、何キロ出したの?」と全員が聞きます。
「20キロちょっとね」
「なんだ、それならマラソンみたく40キロぐらい走らせてもいいんじゃないの」
「30キロ出せばよかったのに!」
みんなかってなことを言っていますが、奴隷はというと顔面蒼白で地面にへたれこんでいます。それを無理矢理抱き起こし、しゃんと立たせると、今度はロープを普段から暴走気味のOLシーちゃんのマーチにくくりつけます。
バウン!というエンジン音とともに車が走り出し、またもや奴隷が腰を突き出して走り始めます。今度はかなりスピードが出ているらしく、奴隷がついていけない様子でチンチンがビロ~ンと引っ張られて伸びています。
「ダメだ!ダメだ!走れない!」
男は絶叫しながら、それでも走り続けるしかなく、必死で足を動かしています。倒れると危険なので、私がシーちゃんの車にストップをかけました。降りてきたシーちゃんにみんながいっせいに質問します。
「何キロ出た?」
「瞬間だけど、35キロ!」
おおっ!と、どよめきの声があがります。そして、学生のアキラちゃんが運転して、最後に私のBMWの登場です。
「ねえ、君、ゆっくり走ってあげるから、このまま山を降りようか。距離にして15キロぐらいだから大丈夫でしょ」
奴隷が泣き出しました。
「もう、足が動きません。痙攣しそうです」
かわいそうなやつ。ちょっと同情したので、私は形だけ少し走って、車に乗せてやりました。
「マラソンで下まで走っていきたかったねえ」
「かんべんしてください!」
「また今度遊んでくれる?」
「もう十分です」
みんなで大笑いしたドライブでした。